俳優は、イコール有名人ではありません。お金持ちでもありませんし、安定もしていません。それでもやはり、俳優になりたいと多くの人に思われる、魅力的な職業です。

では、俳優になるには具体的にどうしたらよいのでしょうか。

俳優としてなくてはならないこと

まずは、健康な体です。

優れた演技ができても、病気がちでは力が発揮できません。健康であるために自分を律する厳しさを持つ、ということでもあります。それにスケージュールに穴を開けてしまうことは、信用を落とすことになりますしね。

そして、心が豊かであること。

感受性に富んだ心、他人の立場に立って感じられる心を持つということです。俳優は、人生のさまざまな場面で生まれる感情や情動を、あらためて舞台の上やカメラの前で演じます。その俳優が、感じる力が鈍いようでは、演技などできません。

ふつうに過ごしていたら見逃してしまう小さな出来事にも敏感に反応できるような、感受性を持つことが大切です。

また、他人の立場に立つ、つまり他人の痛みがわかるということは、ただ単に同情するということではありません。痛みを自分のものとして感じること、それには想像力と創造力が必要です。

想像したことを五感のすべてを使って創造する、それが演じるということです。

舞台俳優と映像俳優の違いとは?

俳優への第一歩

俳優は、ここさえ行けば、これさえやれば、必ずなれるというものではありません。

例えば、役者一本でキャリアを積むのではなく、モデルから転身する人もいますし、お笑いから転身する人もいます。歌手から転身といった例もあります。

夢を実現させるための努力はもちろん必要ですが、残念ながら努力したから必ず成功するという性質のものでもありません。ですが、第一歩を踏み出す手段はあります。具体的な例を挙げてみましょう。

1.大学などの演劇科、演劇の専門学校に入る

学校を出たからといってすぐに俳優になれるわけではありませんが、演技の基礎を学びながら、自分はどのような俳優になりたいのか試行錯誤する準備期間になります。

演劇や映画の世界につながっている人もいるので、ここでの出会いが今後の道筋を決めることもあります。

大学なら演劇部の名門である日芸・桐朋短大・明治大学などが有名ですね。

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2.劇団の養成所またはプロダクションに入る

自分が特に好きな劇団や演出家、監督、俳優がいる場合は、そこが良いでしょう。

養成所は、本来はその劇団の俳優を養成するためにあるものですが、養成所に入った人がすべて劇団に残れるわけではないので、そのつもりで基礎を学ぶために入所する人もいます。

演技派俳優・女優を目指す養成所について

プロダクションに関しては、いきなりプロダクション所属の俳優になるというのは困難です。

スカウトされて、という話もあるにはありますが、本当に俳優としてスカウトされる人は少なく、たいていは所属料やレッスン料を払って入る必要があります。

場合によってはレッスン料目当てにスカウトされることもあるので、注意が必要です。

芸能事務所によるスカウト。その実態とは?

3.演出家の行うワークショップやオーディションを受ける

ワークショップに関しては、俳優訓練のために行われることが多いので、すぐに出番がもらえるというわけではありません。

しかし、演出家の目に留まればその人の作品に呼ばれることもあるかもしれませんし、入団試験を受けてみるというような、次へのステップも期待できます。

自分の好きな演出家がオーディションをするという機会があれば、思い切って受けてみるといいでしょう。

結果はどうあれ経験値が詰めることは間違いありません。

ただし映画やドラマのオーディションは、たいていはプロダクションに告知されてその中で選考が行われることがほとんどなので、なかなか一般募集はないのが実情です。

4.ファッション雑誌の専属モデルから俳優の道へ

『ジュノン・スーパーボーイ』や『メンズ・ノンノ』など、誌面を見た事務所側から声をかけられ俳優としてデビューするケースが増えています。

この道は学生として勉強しながら、事務所を一緒に探してくれたり、特殊な芸能界事情についてサポートも受けられる道なので、じっくり自分の進みたい道を見つけていける点がメリットです。

また、メジャーではない地方誌でも誌面を見た事務所側から声をかけられることがありますので、大小問わず挑戦してみるのも良いかもしれません。

モデルになろう

5.芸能事務所が主催するオーディションを受ける

一番の近道、王道です。

テレビに出ているタレントは、子役・劇団出身を覗いて、ほとんどがオーディションとスカウトで事務所に入ります。

なお、所属してから事務所の用意したレッスンに通い勉強するので、演技経験のない初心者でも安心してください。

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最も大切なのは、学び続けること

俳優を志して、すぐに食べていけるだけの収入を得られる人はほんの一握りです。

そうなるまで、しかも将来絶対にそうなれるという保証のない中で、熱意と情熱を保ち続けるのは至難の業です。

しかし、常に目標を明確にして、日々の雑事に惑わされることなく、俳優になるために学び続けていくことが、夢を実現するためには必要不可欠なのです。

日々の苦労は、必ず演技の糧になります。

演劇は、一つの答えを見つけて与えることではなく、観客に、多くの質問を投げかける、問題提起をする行為でもあります。

質問をするということは、興味を持つということ。

自分はなぜ俳優を目指すのか、俳優になって何をしたいのか、常に自分に質問しながら真摯に学び続けることが、俳優になるために最も大切なことなのです。