劇場などの見取り図を見ると、ホワイエと書かれている場所があったりします。これはもとはフランス語で団欒の場というような意味ですが、英語でのロビーとほぼ同じ意味で使われています。劇場の建物の入り口から実際に演劇舞台を見る場所、つまり観客席に入るまでの間の場所のことを指します。

演劇舞台などを見にいったことのある人なら分かるでしょうが、観客席に入るドアの前の部分は、単なる通路というよりはかなり幅広く取られていることが多いです。そこがホワイエの一例です。これはもちろん観客席への人の出入りをスムーズにする目的で幅広く取られているという意味合いもありますが、決してそれだけのためではありません。はっきり言えば、演劇舞台を見にきた人にとっての社交の場、開演時刻前であるとか、幕間の時間における歓談の場でもあるのです。

演劇は、それを見ることだけが目的ではないということです。演劇舞台はどんな人であっても等しく見に来るわけではありません。それなりの社会的地位のある人、それなりのレベルの趣味を持つ人がやってくるところであり、それはまた絶好の社交の機会でもあるということです。かといって観客席で歓談をするわけにはいきませんから、ホワイエが作られるようになったのです。