不条理演劇とは、不条理劇とも言われ、人間の人生の不合理性や不毛性、無意味さなどをテーマにした演劇の手法のひとつです。

1950年代にフランスを中心に生まれたもので、代表作にはサミュエル・ベケットの「ゴドーを待ちながら」というものがあります。この話は、二幕に分かれています。第一幕は、二人の浮浪者が、木が一本生えているだけの田舎道で、ゴドーさんという人物をひたすらに待ち続けるという展開になっています。第二幕も展開はさして変わらず、ゴドーさんを待ち続ける場面が繰り返されるだけのお芝居になっています。

舞台上ではたしてこのような演劇を行うことに意味があるのかと疑問に思う人や、物語の展開が短絡的すぎてよくわからないという人が多いのもこの演劇の特徴です。

しかし、そのようなことを考えることが、不条理演劇の神髄とも言えるでしょう。考えるまでもない当たり前のこと、考えても答えの出ない不毛さ、それらを総称して作品として表したものが「不条理演劇」であるということなのです。このような不条理劇は、のちに日本の別役実さんや宮沢章夫さんなどにも影響を与え、今なお、演劇のひとつのカテゴリーとして人気の高いものとなっています。”