クリストファー・ノーラン監督によるバットマンシリーズは、ダークナイト3部作として知られています。その中でも、最も大切な映画とされているのが、ダークナイトシリーズの第一作となるバットマンビギンズです。

バットマンビギンズでは、主人公のブルース・ウェインがどのようにしてバットマンとなったかが描かれています。主人公のブルース・ウェインを演じるのは演技派として知られているクリスチャン・ベールです。

劇中では、ブルース・ウェインが放浪しているシーンから始まります。ブルース・ウェインは両親を強盗に殺されたという悲しい過去を背負っており、その強盗を殺害するため、銃を持って裁判所に行きました。

しかし、直前のところで別の人間によって強盗犯は殺害され、立ち尽くすブルース。そこにレイチェルが現れ、ブルースが強盗を殺害しようとしたことに対し、軽蔑すると共に怒りをぶつけます。そしてマフィア街を歩いていた際に、マフィアのボスであるファルコ―二に会い、この世界には近づくなと警告され、放浪の旅が始まるのです。荒み切ったブルースに救いの手を差し伸べたのはヘンリー・デュカードという人物です。

デュカードはリーアム・ニーソンが演じています。これまた演技派の俳優です。ですから、作品に奥行きが生まれます。デュカードはブルースに対し、チベットの山奥にある屋敷に来いと言い残し、その場を去ります。

そして、その屋敷を訪れたブルースは、ラーズ・アル・グールという人物に出会うのです。このラーズ・アル・グールの顔、見覚えがある方も多いでしょう。渡辺謙が演じているのです。そして、デュカードの修行により、ブルースは格闘の技を身につけていきます。そして、修行が終了した日、デュカードはブルースにある男の処刑を命じます。しかし、人を殺めることを認めないブルースは葛藤の末、デュカードに反抗し、ラーズ・アル・グール率いる影の同盟を敵に回すこととなったのです。

ここまでの修行のシーンも、とても丁寧に描かれていて、何故ブルースが超人的な格闘術を身につけたのか、分かるようになっています。全編を通して言えることですが、描写が丁寧です。しかし、決して中だるみすることなく、テンポよく見せるあたりは、クリストファー・ノーラン監督の手腕と言えるでしょう。

ブルースが影の同盟を脱退後、執事のアルフレッドがブルースを迎えに行きます。そして、故郷のゴッサムシティに再び戻ったのです。ゴッサムシティは汚職警官とマフィアがはびこる腐りきった街となっていました。何とかしてゴッサムシティを良い街にしたいと考えているブルースは、悪をこらしめるための手段を考案します。自分が恐れているものをシンボルとし、その恐怖を相手にも味わわせるというものです。

ブルースが恐怖しているものはコウモリです。

ですから、自分もコウモリとなることで、悪に対して恐怖を植え付けることを狙ったのです。そして、コウモリをモチーフとしたコスチュームの設計をはじめます。試行錯誤の末、初代バットマンスーツが完成します。

しかし、バットマンは一人で闘うには限界があります。味方となってくれる存在が必要です。

そこで、汚職に手を染めていない唯一信頼できる警官であるジム・ゴードン、そして幼馴染で検察官のレイチェルを味方につけ、マフィアを一網打尽にするのです。しかし、ファルコ―二率いるマフィアよりももっと大きな悪が動いていたのです。バットマンビギンズのヴィランの一人であるスケアクロウです。毒ガスを噴射して、相手を幻覚状態にし、正気を失わせる敵です。バットマンもスケアクロウの攻撃に合い、瀕死の重傷を負いました。

そして、再びスケアクロウと対峙したとき、スケアクロウから衝撃の事実を聞き出すのです。ラーズ・アル・グールが毒ガスによってゴッサムを粛清しようとしているのだと。事の重大さに気付いたバットマンは、すぐに解毒剤を用意するなど対策をしていきます。

そして、遂にラーズ・アル・グールとの再会です。そこに立っていたのはデュカードでした。つまりデュカードがラーズ・アル・グールだったのです。影の同盟は毒ガスでゴッサムシティを壊滅させる計画を着々と進めていきます。そして、毒ガスが街全体に噴霧されてしまいました。被害を最小限に食い止めるべく、バットマンはラーズ・アル・グールと最終決着をつけます。そして、ラーズ・アル・グールは死亡し、ゴッサムの街は寸前のところで壊滅から逃れることが出来ました。

ここまでがバットマンビギンズの物語となります。

この映画には、後のダークナイトシリーズに登場するキャラクターが多数登場します。ですから、バットマンビギンズを観ておかなくては、物語を十分に理解することが出来ないでしょう。また、バットマンが誕生するまでの映画として、これまで語られなかったエピソードが映像化された貴重な映画ですので、ダークナイトシリーズの中では最も大切な映画と言えるでしょう。