『ローン・サバイバー』。世の中には多くの優作と呼ばれる映画が数多くあります。これもその一つです。

2005年「レッド・ウィング作戦」が主な内容となっています。作戦と言っても、ここで取り上げられるのはたった4人のシールズ隊員たちの話です。

そう、これは実話なのです。このような実話の戦争映画はよく製作されるようになりましたが、この映画は一味違います。

リアルさ、生々しさが群を抜いています。劇中、あなたは幾度か目を背けたくなるでしょう。それほどにリアルな描写が続きます。

なので、息をつく暇もない内容となっていますが、それがこの作品の良いところです。もちろん家のテレビでも十二分にこの作品のダイナミックさを有り余るほどに感じることができます。

ストーリーの根底にあるのは「人間愛」。

皮肉にもシールズ隊員の優しさが、彼らが身を置くことになる極限状態の引き金となります。それは4人のシールズ隊員が約200人のタリバン兵からの攻撃を受けるという、あまりにも過酷な状況。

そして『ローン・サバイバー』という作品名にもあるように、4人のうち一人が生還するという話です。

助けも来ない、武器も足りない、最も隊員は傷だらけ。いつ攻撃されるか分からない。このような生死をさまよう環境でも、彼らは必死に生きようとします。
泣かされるのが、隊員が自らの死を悟り他の隊員に逃げろ、ここは任せろという言動。

とても男臭い描写ではありますが、これが軍の現実なのだと気づかされます。

そうして隊員は一人、また一人と少なくなる。

見ている側としては、本当に主人公は生還できるのだろうかと疑問に思わずにいられません。

しかし、主人公の感動的な救出劇の裏にもまた「人間愛」があるのです。物語が終盤になるにつれ、急展開していくストーリー。

そして、この映画はエンドロールに監督を始め製作陣の思いが詰まっています。必ず、見てください。最後に映し出される事実が見ているものの心に刺さります。

ここまでで映画の内容を綴ってきましたが、この映画の特徴を改めて。まずは、いい意味での「息苦しさ」。実話がゆえに、リアルさを追求した手法で撮られているため、俳優たちの息遣いまでも感じることができます。

見る人は、その目、耳、心、頭すべてを使ってこの作品を「体験」します。それは製作陣のこだわりの表象でしょう。エンドロールにおいても、最初から最後まで、この事実をありのままに伝えたいという思いが伝わってきます。

その次に俳優たちの「迫真の演技」。

特に主演のマーク・ウォールバーグ。

この作品は彼の代表作といっても過言ではないでしょう。それほど自信を追い込んでいることが分かります。

彼は、このような迫りくる脅威に立ち向かう主人公、といった役をよく演じています。彼が演じることで、役に深みが出るのと同時に主人公に親しみさを感じることができるでしょう。

彼以外にも、演技実績のある人が4人選ばれていますが、彼らに共通しているのは演技からにじみ出る男前さです。シールズ隊員4人のリーダーを演じるはテイラー・キッチュ。彼は二枚目俳優だと思われますが、顔ではなくその態度が伊達さを極めています。

軒並みな表現になってしまいますが、マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュを含めた俳優陣の真に迫る演技は非常に私たちの心をえぐります。

また、作品の冒頭やエンドロールで明らかになる、4人それぞれのおかれている環境。これがまた彼らはスーパーマンではなく、一人の普通の人間であると痛感させられます。

真の友情、真の愛とはどういうことか。

異国人間、そして異人種間での交流とは。

思わず考えさせられます。

そういう多人種間での助け合いや兼愛もこの映画の根底にあるものです。

例えば、私たちが窮地に立たされたシールズ隊員らを目の前にしたとき、彼らのために何ができるのか。2020年のオリンピック開催国民として、意識せざるを得ないことです。

そしてすべての根底にある「事実」です。

いくら製作陣が凝った技術を駆使して撮影したとしても、いくら有名な俳優を起用したとしても、「実話に基づく」という言葉に勝るものはないのではないでしょうか。日本ではあまり戦争映画は製作されず、また実話に基づく映画というのも多くはありません。

しかし、実話から得られることは数多くあります。

この途方もなく受け入れがたい事実。しかし、この作品に出会ったことがまず大きな変化でしょう。

『ローン・サバイバー』。

この作品は見たものの心を揺り動かす作品に間違いないでしょう。その事実に驚き、感動し、時には涙し、受け入れてください。

ちゃんと時間をとって、身構えて見るのもよし、空いた時間に軽い気持ちで見るのもよし。一人で気ままに見るのもよし、誰かと一緒に見て、感想を言い合うのもよし。

何にせよ、あなたが感じたものはこの映画を通してでないと得られないものです。

これだけは言えますが、一生に一度は見ておくべき作品の一つです。