アニメの舞台となっている地域をファンの人が訪れることを聖地巡礼といいます。本来は宗教で用いられる用語でしたが、近年になってアニメやゲームの分野でも用いられるようになりました。以前は一部のオタクが行う行為として軽視されていましたが、今では事情が異なります。その地域の活性化に繋がることが多く、非常に多くの人が関心を寄せているのです。政治的な観点からも無視できないようになっています。外国からの観光客も多いので、国内の観光業の目玉としても期待されています。そのような聖地巡礼ですが、日々進化をしているのをご存知でしょうか。

この度、新しい形の聖地巡礼が誕生しました。その対象のアニメとはサクラクエストです。このアニメは、間野山という過疎化の進む町が舞台になっています。そこを訪れた女性が、町おこしのために奮闘するというのが主な内容です。国王というポジションを任されて、いろいろな取り組みを行っていくことになります。たとえば名物の食べ物を有名にしようとしたり、ゆるキャラをアピールしたりする努力を行っています。基本的にアットホームな雰囲気ですが、感動するシーンや緊迫するシーンも少なくありません。主人公が成長していく様が分かりやすく、どの年代の人でも楽しみやすい内容になっています。

また魅力的なキャラクターが多く登場するのも大きな特徴です。老人も登場しますが、基本的にメインのキャラクターは若い女性たちです。その女性の中にITに強い女性もいるなど、バラエティが富かです。作中では町のアピールために、ホームページを開設しています。実はこの間野山のホームページが実際に存在するのです。制作側のいたずら心が垣間見えますが、ファンにとっては非常に興味深いものになっています。そのためファンの間では、ネットで聖地巡礼をするのがブームになりました。サクラクエストの人気が続く限り、ブームも終わらないでしょう。ネットでどうやって巡礼するのか疑問を持つ人も多いと考えられます。

実は舞台となった間野山は実在していません。またモデルとなった町も明らかにされませんでした。ファンの間ではさまざまな憶測が飛び交っていますが、明確な答えは示されていないままです。しかしホームページを見ると、ある程度の予測ができます。たとえば町へのアクセスが紹介されているページに、バスや電車のイラストがあります。それに近いバスや電車が、日本のどこで運行しているのかを調べると、ある程度の予想が可能になります。今のところ、富山県にモデルとなった町があるという説が有力です。また富山県には、大かぶの収穫量が多い地域があります。実はサクラクエストでも、かぶがキーワードとして何度も登場します。そのような関連性があることも、富山県が舞台といわれることに関係しているでしょう。このように間野山のホームページを訪れれば、モデルの町を考察するなどを行うことも可能です。もちろん単純に読むだけでも楽しいので、ファンでない人も一度は訪れてみると良いでしょう。サクラクエストに興味を持つかもしれません。

ネットの聖地巡礼も、従来の聖地巡礼と大きな差がないと考えられます。これまでの巡礼でも、アニメの具体的なシーンに該当する場所を探すのが定番の楽しみ方でした。違いはネットで見るのではなく、実際に訪れていることだけです。楽しみ方や魅力には大きな差がないといえます。ネットで巡礼した後で富山を訪れる人もいますが、その場合は2度楽しめることになります。長く楽しめるので、ありがたいと感じるファンは少なくないでしょう。ホームページには来訪者数を表示するカウンターが設置されていますが、15万人を軽く超える人たちがすでに訪れています。作品を効果的にアピールする新しい試みとしては、大成功といえるのではないでしょうか。

実は富山がモデルになっている説にはもう一つの根拠があります。それはサクラクエストの制作を行っている会社も同県に存在するということです。あえてモデルを明確にしないことによって、話題性を上げているのかもしれません。そうすることで、富山県のモデルとされる町が有名になる効果を期待している可能性があります。つまり実際の町おこしも狙いの一つになっているということです。もちろん予測に過ぎませんが、アニメ自体が町おこしに関するものなので、あながち外れてはいないと考えられます。そう言われると、すぐにでも巡礼したいと感じるファンもいるでしょう。

しかし、ネットで巡礼した感覚で気軽に訪れるのは良くありません。実際に訪れるなら、モラルをしっかり持っておく必要があります。もしマナーを守らなければ、サクラクエストの評判まで落としてしまうことになりかねません。自分が好きな作品であれば、モデルの町に住む人にも誇りを感じてもらいたいでしょう。訪れるなら、それを肝に銘じて礼節を持って振る舞いましょう。