宝塚歌劇団の舞台終了後、会場周辺に整列している群衆を見かけます。これは舞台を終えたタカラジェンヌが帰宅のため出てくるのを待つ出待ちをしているファンです。宝塚初心者は舞台が終わればそれで満足して帰宅しますが、ベテランのファンにとってはタカラジェンヌを見送り労をねぎらうまでが観劇です。そのために出待ちをしています。

宝塚歌劇団の出待ちは礼儀正しいことで有名ですが、ファンの間で幾つかのルールが決められています。このルールを長年守ってきたことで出待ちが容認されています。

出待ち列の並び方にはルールがあります。宝塚歌劇団のファンの中には特定のタカラジェンヌを応援する私設ファンクラブがいくつかあり、会員は「隊服」と呼ばれるお揃いのスカーフやジャケットを身に付けています。このファンクラブへの貢献度の大きな順に前列に並び、より近くでタカラジェンヌを見ることができます。どのファンクラブにも加入していない場合は最後列に並ばざるを得ません。ファンクラブの並び方にもルールがあり、基本的に楽屋口に近い所からトップスター、二番手、上級生、下級生、の順で並んでいます。なおタカラジェンヌに手紙を手渡ししたい場合も手紙を渡したいタカラジェンヌのファンクラブの会員である必要があります。会員でない場合は楽屋口で預けます。

列で並んでいるファンクラブの会員のことをガード、その後ろに立っている非会員のことをギャラリーと呼びます。ガードは元々熱狂的ファンからタカラジェンヌを守るためのもので、タカラジェンヌが通る時には全員しゃがむことになっています。そのためガードの後ろに居てもちゃんとスターを見ることができます。

ギャラリーから写真や動画の撮影は節度ある範囲でOKですが、個人の記念として保管することを前提としているのでいかなる場合もネットへの公開や販売は禁止されています。Twitter等のSNSや自分のブログへの公開もNGです。撮影の際にはタカラジェンヌの目の負担にならないようフラッシュ機能は切ります。またガードの上に身を乗り出してもいけません。なおファンクラブ会員が出待ちをする際の写真・動画撮影は会員内ルールで禁止されています。

憧れのタカラジェンヌが目の前に来たからと言って興奮して大声を上げたり過度に話しかけたりしないのが礼儀です。特にギャラリーは話しかけてはいけません。タカラジェンヌによってはガードも話しかけないことがあります。タカラジェンヌの側から自分のガードに話しかける場合がありますが数十秒ほどです。ギャラリーで写真撮影している場合には邪魔にならないようできる限り消音機能を使います。また友人と待っている間におしゃべりをする場合意外と周りの人に聞こえるものなので極力控えます。特にタカラジェンヌの悪口はNGです。

舞台の千秋楽やタカラジェンヌの誕生日、引退公演等があった場合は特別で、舞台を終えて楽屋口から出てきたタカラジェンヌに対しガードは声をそろえて労い・お祝い等のメッセージを伝えます。コールの中には「大好き」等の1人で言うのは恥ずかしいセリフもあります。

多数のルールがあって敷居が高いようにもみえますが、ガードの後ろにギャラリーとして立ち、静かに見守っていれば全く問題ありません。誤ってガードの所に立っていた場合は「すみません、ここにファンクラブが入りますので」と言われますが誘導に従えば良いです。多くのタカラジェンヌは終演後1時間前後で楽屋口から出てきます。数十分間待って数十秒程度しか見られないかもしれませんが、文字通りすっぴん、素顔のタカラジェンヌを見ることができる機会ですのでまずはギャラリーとして一度体験してみることをお勧めします。