ドラマや映画、舞台やアニメなどメディアにかかわらず芝居をするときはセリフに感情を込めることが求められます。その力が劣っているとキャラクターの心境を表現することが出来ないだけでなく、いわゆる棒読み演技になってしまって作品自体のクオリティが大きく低下してしまうからです。

セリフに感情が入らない理由としてまず挙げられるのは演技力不足です。自分ではない人物になりきって喋るという経験を十分に積んでいないため、ただ台本に書いてある文章を読んでいるという音読状態になることで棒読みの素人演技になってしまうのです。

この場合の改善策として効果的なのは演技の経験を積むことですが、そのときは自分一人で練習をするのではなく必ず誰かに見てもらうことが大切です。自分では良く出来たと考えていても実際はそうではないことも多いため、他人に見てもらって評価を受け、その内容を心に留めて次の練習に活かすというステップを踏まなければ上達することが出来ません。また、演技力不足の演技者に多いのが役を演ずるということを恥ずかしがっている場合です。

脚本によってはあまりにも自分の性格とは異なる役を演ずることもありますが、そういったときに本来の自分との違いから役を受け入れることが出来ず恥ずかしさを感じてしまうことでセリフに感情を込めることが出来なくなっているのです。この場合も経験不足が原因であり、様々なキャラクターの演技を練習して数をこなすことで恥ずかしさがなくなります。

一方で、演技者によっては十分な演技力を持っているにもかかわらず特定のキャラクターを演じるときにだけ棒読みになってしまうこともあります。この場合は演技力が原因になっているのではなく、演技者の想像力不足が大きな原因です。演ずる役の性格や行動に共感することが出来ず、なぜ演ずるべきセリフをキャラクターが発しているのかが理解できないため感情を入れることが出来ないのです。

これはキャラクターが破天荒な性格をしていたり法に触れる行動を起こしているとき、さらには一般的な日常生活からかけ離れた状況にいるときなどに起こりやすい問題です。演技者の想像力不足を解消するためには、キャラクターの心情を理解することを心がけながら多くの作品に触れることが必要です。演技者は実際に銃を撃ったことがなくても戦場にいる役を演じなければならないことがあります。そのときに感情を入れるためには、キャラクターが置かれている状況を想像することが大切なのです。